気が遠くなる。
思考が鈍くなる。
鉛水を、飲んだみたいに、
手足は錆びた、可動式。
世界はまるで、曇り硝子の向こう側。
脊髄に重く圧し掛かる、曇天。
視界が歪んだ――――。
風邪の所為かな…

アタシは傍観している。
アタシのことも。貴方のことも。
それはまるで、他人事の様に。
嗚呼、生と死さえも。何も感じない。
忙しなく蠢く、人々が
回転しようとする、世界が
アタシの目にはイミテーションのようで
きらきら、ゆっくりと視界を掠めて
嗚呼、なんて綺麗なんでしょう。

「このままじゃ、置いていかれてしまうよ」
と、理性が囁くのですが
何分、身体が重くてだるくて
身動きが取れないのです。

眠いなぁ…
お茶の時間に、間に合わないね。
もういいよ。
嗚呼、貴方だけは、どうかご無事で。

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