昨日。
望んだとおりの結末を、手に入れた。
アタシも。
それから多分、祖父も。

祖父は其処に行きたかったんじゃないかな。
多分、七年前に祖母が逝ったときから。

そのとき天の身使いは、彼に云いました。
「わからないフリをすれば、きっと連れてってあげるよ。」
だから
孫の顔、娘の顔を、忘れたフリを彼はしていた。
だけど最期に一つだけ
アタシの願いを叶えて下さいました。
優しい人だからね。

あのね、
おじいちゃん。
アタシ、ダイガク二 ウカッタ ヨ。
今日、報告に行くね。
そっちも、いつまでもおばあちゃんとお幸せに…
気が遠くなる。
思考が鈍くなる。
鉛水を、飲んだみたいに、
手足は錆びた、可動式。
世界はまるで、曇り硝子の向こう側。
脊髄に重く圧し掛かる、曇天。
視界が歪んだ――――。
風邪の所為かな…

アタシは傍観している。
アタシのことも。貴方のことも。
それはまるで、他人事の様に。
嗚呼、生と死さえも。何も感じない。
忙しなく蠢く、人々が
回転しようとする、世界が
アタシの目にはイミテーションのようで
きらきら、ゆっくりと視界を掠めて
嗚呼、なんて綺麗なんでしょう。

「このままじゃ、置いていかれてしまうよ」
と、理性が囁くのですが
何分、身体が重くてだるくて
身動きが取れないのです。

眠いなぁ…
お茶の時間に、間に合わないね。
もういいよ。
嗚呼、貴方だけは、どうかご無事で。
ココロから眼から溢れ出す。
「居なければ良かったのに!」
橙色が跳ねた。自分の好きな色。
ただ単に、
些細なことだよ。
嗚呼、些細なことだよ。
あまりに、些細なことだよ。
若し、君が
あ―――――。
手に入るわけも無い。
ルリイロ。
君のゼンマイ仕掛けのおもちゃ箱。
12月。
ねぇ、覚えていた?
君の手が触れた熱と
君の手が触れた熱とか。
キミドリミドリアカキイロ
クロッキー帳に赤いクレヨンで
お気に入りの言葉とか書きなぐって。
「だいきらい」「だいきらい」「だいきらい」
黒い仔猫の首と秒針が飛んだ
バスケットの中にはレースと針金。

クロッキー帳に吐き出した、色にならない奇形児。
信じてくださらないかもしれないけれど、
アタシは、確かに
貴方の引力でもって生まれてきたのです。

貴方の存在に、ココロの底から感謝しています。
貴方が、
貴方の形をして、
貴方の心と
貴方の才能と
貴方の気品と
貴方の声を持って、この世に生まれてきたことを、
ココロの底から感謝しています。

今日は風が強かったので
アタシの気持ちが
貴方のもとへ、巧く飛べたかもしれませんね。

たとえ、
貴方が気付いてくださらなくとも
貴方さえ其処に居てくださるのなら
アタシは「アタシ」という存在で居られるのです。

貴方が貴方で居てくれて、どうも有り難う。
どうか、せめて
アタシが息をしている限りの、永遠を誓わせて下さい。
暖かい陽射しが、あまりにあの人の雰囲気に似ていて、
いつか届くような、
あの人に、届くような気がした。

あの人の傍に、朽ち果てたいのよ。
あの人は、ガーベラの花に似ているわ。
あの人の根元に、横たわって融けるの。
ねぇ。あたたかい庭先で、甘いお茶を飲もう。
どうか
あたたかい庭に、仔猫と一緒に埋めて下さい。

眼を閉じたら、
距離が縮まった気がしたんだ。
所詮、気のせいなんだけど。

何故、
何故、絶望の渦中は、いつも綺麗な碧空なのでしょうか?
だけど、少なくとも、
アタシは間違って無かったんだって、今日確信したのだよ。
錯覚でもいいや…

絶望に溺れることは甘美だものね。
…春だからね。
錯覚でもいいや。
Hello! Hello! Hello!

此処だけの話。
…電子レンジの奥に、不思議な国があるんだって。
どういう仕組みかは内緒だけれど、
あの、ルイスキャロル氏の脳内と
回線が繋がっているのらしい。
だから、というわけではないが
鏡の向かう側に世界が、存在するなどというのは
真っ赤な嘘である。

Hello! Hello! Hello!

鏡の向こう側は、ただ単に、
左と右が、反対になっているだけだ。
男と女が、反対になっているだけだ。
ね。見ればわかるでしょ。
シャツの釦が、反対になっているじゃない。

Hello! Hello! Hello!Hello! Hello! Hello!

ところで
この回路は、あの人には繋がらないのですか?
配線が、間違っているのですか?
アタシが間違っているのですか?
何千万回、ダイヤルしてるのに
ダイヤルしてるのに…

Hello! Hello! Hello…
「この回線は、お客様のご都合により、お繋ぎすることができません。」
本当に、あの人が
そう云ったのですか?
本当に、
本当に?
紳士淑女の皆様、どうぞ御覧下さい。
キ○○イ小娘の、
醜悪リストカット・ショウ!!

国営放送で吊るし上げられた、晒し者の彼に
(だいたい、彼だってどうかしている。気付いておくれよ。結局、理解者なんて何処にも居やしないんだよ!)
同情している暇がおありでしたら
ご自分の娘の腕でも御覧になったら如何です?
よくもまぁ、
そんなその場限りの台詞が吐けたものだ。感心、感心。
アタシの逃げ場を、アタシの退路すら奪ったくせに。

アタシはあの時、
あの場所しか、受け入れてくれる処を知らなかった。
それを。
あなた方が邪魔をして、塞いでしまったから、
呼吸困難の末に、狂ってしまったのですよ?

ねぇ。
あの人が、関西弁を喋るから不可ないのですか?
あの人が、派手な髪の毛をしているから不可ないのですか?
あの人が、派手な服を着ているのが不可ないのですか?
夜中まで、電話で喋っているのが不可ないのですか?
ねぇ。ねぇ。ねぇ、

「神様はTVの中にいます。」
「真実はTVの中に在ります。」
嗚呼、
そのとおりだよ(笑)!!!
現実よりもリアルな、ショウ。
真似事の、実像。
それにしても
彼は上手くやったものだ。
電子メール一本で、救いの手を。(宅配ピザよりお手軽に!)

嗚呼、でも
彼を悪く言うのはよそう。
彼だって、必死なのだから。きっと。
それをショウに仕立て上げる大人たちに、吐き気がするだけだ。

それとも、舞台に上がったらピエロは救われるの?

紳士淑女の皆様、どうぞ御覧下さい。
キ○○イ小娘の、
醜悪リストカット・ショウ。
赤いでしょう?
綺麗でしょう?
大人って、
「切りたい」と「死にたい」の区別がつかないらしいよ。
あははは。

アタシは生きたい。
拍手喝采ピエロ。
陳腐な、
あまりに陳腐な、

色褪せた写真を
セルロイドの人形を
潰れた言葉を
賽の河原の古本を
乾いた夜光虫を
イロトリドリの壜を
草臥れた手紙を
描きかけの絵を
破れたお洋服を

セピア色の陽に当てたら
あの人の匂いがした。
もう、
あれから二年もの月日が過ぎたのですね。

ジェラルミンの天使が、飛んでる気がした。
午後。
泣くのはルール違反だと、思った。
アタシは強くなれた。そう、思い込んだ。
だから、ごみ箱に入れた。

嗚呼、
きっと
アタシはジプシーになろう。
自分を鎖で繋ぐのは、止めよう。
反転―――。
狭い箱の中で、飼い殺されていく、
徐々に。
アタシの、アリザリンクリムゾンが溢れて跳ねた。
薔薇鉄線の向こう側、
自由な世界は絵空事。
内なる世界のリアリズム。
ただ、ただ赤く染め上げる。
美しい、貴方は刺を持っている。
アタシは知らないフリをして、溢れさせた、液体、
また、赤い。

箱の中で、ストレスを溜めて、
自分の肉片を削って、
吐き出す行為が、
アタシを生かしている、ってこと。

慢性的に睡眠を貪る。
断片的に、死ぬみたいに。
死と睡眠は、同類語だと。

桜の木の下で眠ったら、
花を淡く染めることができるのでしょうか?
どうか、アリザリンクリムゾンが、腐乱する前に。
どうか、アタシを見つけ出してください。
まどろむ。
眠い…
頭がクラクラする。
身体がふわふわする。
そういう感覚に陥る、彼女の絵は。

タカノ綾さま。
イッセイ・ミヤケとコラボレートしたお洋服を、
新聞で見た。
彼女の描くオンナノコ、たまらなく好き…
強烈な存在感と、掴み所の無い浮遊感。
毒々しく着色された、癖になるような不思議な甘味の、綿菓子。

彼女の紡ぐお話は、
ストーリーを追うのでは無しに、不思議な空気感に漂う感じがする。

突風がそれを連れて来た。

カスタードクリーム色に染めた空気と、
頭に紫色の蝶々を乗せた、その生き物を。
嗚呼、
そう云えば、随分と長い間、君に会ってなかったね。
もう、真綿でアタシの首を絞めるのは、止めていただけませんか。
アタシも、
君を虫ピンで止める真似は、もうしないから。
降参。どう足掻いたって、君の方が美しいよ。
君のほうが、あの人の気を引くのが上手いってことも
知っていた。
前から知っていたんだよ。

不可ない。
少し、眠りすぎたのかもしれない。
「テルミン」

っていう、電子楽器。
嶽本野ばら氏の小説で知った。
とっても気になる…

手をかざすだけで、ヒューンという電子音がするのらしい。
きっと、涼しい音なんじゃないか、と予想。

アンテナが二本出ている姿が可愛い。

その楽器を備え付けている、画廊があるって。
行きたいなぁ。

大阪市西区北堀江「マイナスケイプス」(メモ)


沢山、行きたい場所、見たいものが、ある。
感性を、もっと磨かなきゃ。

呆然。

2004年3月6日
昨日知った。
ある音楽ユニットが、今年に入って解散したこと。
利他〜リタ〜*自分を犠牲にして他人に利益を与えること。他人の幸福を願うこと。(広辞苑より)


自分のHNは実際、本名からとった。
でも、
この言葉の意味を教えてくれたのは、
「Lita」。

「Lita」の曲を聴くと、
切なくて泣きそうになったり
自然にニコニコしてしまったり
自分に重なるような気がしたり
可愛くって愛しかったり。

歌詞中に出てくる画家、エゴン・シーレのことを大好きになったり。
Vo・積しの嬢の故郷、沖縄が特別な場所に思えたり。

「Lita」を通じた出会いも、沢山あった。
勿論、メンバーさんとも。

初めて、最前でライブを見た。
G・幸克哉さんの、演奏に感動して泣いた。
しの嬢は、声も顔も、本当に綺麗。
握手会で、二人がアタシの顔を覚えていてくださって、吃驚した。
何度もお手紙を書いた。
ライブを見に、大阪まで行った。

沢山、沢山、数え切れない程、思い出がある。

絶対に、消えてしまわない。

「絶対に消えてしまわない。」と何度も自分に言い聞かせた。



素敵なものを、沢山くれて、有り難う。
…また、すぐに逢えますよね?
国立大の試験が近づいている所為で、
皆が発狂しそうになっている。
お弁当のときも、ずっと描いていたりとかして。
空気がピリピリしていて、痛い。
コキュウコンナン。

自分的に
リタリンを飲んだときと飲まないときの、絵の完成度が全然違ってくるので、厭になる。
毎日リタリンなんて、贅沢。…自分に投資ってやつ?
お薬の所為で、
一人だけ変なテンションになって、かなり浮いている。
厭だなー。
それとも、これは
アタシだけズルっ子してる、ってことになるかな?

「最近、絵描くの楽しい」なんて云ったら
皆に殺されてしまいそうだ。
何処か有名な画家の、
アシスタントになる為の、オーディションを受けていた。

「黒い鳥と、茶色い鳥を描いてください。」

鴉を
連想したら
とても怒られた。

隣で同じオーディションを受けていたC庭さんは、
玉葱の断面を画面構成させられていた。
そっちは良い評価をされていた。

その後、
サイコロを手渡されて
「5を出せ。」と云われた。
そのサイコロには
5の目は無かった。
かわりに6が二つある。
そのことを知っていたのに、
アタシはサイコロを振り続けた。
周りの人が、嘲笑っているの、知っていた。
でも
振り続けた。
悔しくて、
悔しくて 悔しくて
泣きながら。
アタシなんかを、好きだと云う人を
アタシは、好きになれないなぁ。

日々、穢れていく気がする。

ふと
思い出したのだけど、昔は、ミルク入りの珈琲が好きだった。
ブラック珈琲が好きになったのって
あの人がブラックで飲んでいたからだ。
それで真似し始めた。
そのうち、それが「アタシ」になった。
そうやって、
徐々に
どういう風なのが、「アタシ」なんだか解らなくなっていくんだ。
恐いな。

毎日、
薄い皮を1枚ずつ被って。
それがいつの間にか皮膚になって。
毎日、積み重なって
いつの間にか、
元の顔が解らなくなって。

でも、昔から、砂糖は入れない。
バイトの面接に行った…前から興味があった、日雇いのヤツ。
採用してくれ!
アタシの春のお洋服代と、ライブ費用と、家出費用がかかってんのよっ!
こーいうのって、どういう服で臨んだら良いのか、てんでわからなくって、
スーツ、めかし込んじゃったわ。
でも、バッグはベティ-ズなの。
…若しかして、
若しかして、台無し?

家に帰ってら、父母が帰っていた…
泊りがけとか云ってたくせに、もう…?
…て、ゆーか、また、
1日分の記憶が無い。
昨日の記憶…ワカラナイ。
一昨日、沢山の薬、飲んだ気もする。
昨日のこと。

帰り道、
黒猫と眼が合った。
白い手袋と、白いワンストラップシューズを履いた、オンナノコ。
黒いトーションレースの付いたワンピースが揺れて。
翠色の眼でこっちを見ている。
3秒。
「おいで。」って云ったら、ゆっくり擦り寄って来た。
しゃがんだアタシに、身体を寄せて、そっと眼を閉じる。
嗚呼。そう云えば、
アタシは何故か猫に好かれる体質だった。
気難しいと評判の仔ですら、直ぐに懐く。
一回も、猫と暮らしたことなんて無いから、不思議だぁ。

白黒ボーダーの靴下を愛用しているから、
魔女だと思われているのかしら。
鼻唄歌って、…魔女気取り。
秘密を持つのって、体力が要る。
秘密を秘密にしておく為には、頭も使う。

今日、
腕を切ってしまったこと、内緒だよ。
自傷は、上辺だけのネタじゃなくて。本当なの。
だから、病院に通っているの。
アタシね。リタリンと眠剤がないと、生きていけない。
顔はヘラヘラ、心はグラグラ。
…気付いていた?

講師・U津氏は、
優しくい人だから、
そういうことに偏見なさそうだから、
うっかり話してしまいそうになる。
アタシの弱さは、
理解者を欲しがる。
でも。
でも、
このことは予備校で秘密にするって、
決めていたから。

弱音を吐いちゃ、駄目だ。

そのことで誤解が生まれても、
秘密の「蜜」は、アタシだけのもの。

だから
「悩み事があるなら、訊くよ?」なんて
云わないで下さい。

最近、よく泣く。
どうしても、あの人に手が届かないと思い知る。
あの人が何を云っているのか、時々解らないのだよ。
アタシの気持ちも、伝わらないね…
言葉って、思いの外、不便だ。
痛いよ……

左腕の傷跡に、
絵の具を這わせてみた。
薔薇の花弁の色をした、
英国製のその水彩絵の具は、
本物の薔薇から作るのらしい。
色も、匂いも、綺麗で。お気に入り。
アタシの腕は。今はもう、錆びた匂いはしない。
そのことに、密かに安堵する。
たびたび、自ら切ってしまうことは、密やかな癖。
理性では、止めたいと思って…いるよ。
深呼吸。
切ったふり。ふり。
悲しみを紛らわせる、ふり。
薔薇色の、血。

妄想した。
あの人の、軽蔑した眼。
また、泣きそうになる。

クロッキー帳より

2004年2月23日
6月23日。曇。
初めまして。
僕は君のことが心配で手紙を書きます。

今朝、君の猫が暴れていたから。
全てが濁って見えて、夢の中で嘔吐し続けましたね。
沈んで―――。

彼は、笑っていたから救われましたか?
此処(現実)に、君は居るから。
彼と約束したのですね。明日のことを。
明日を生きる理由を、君が見つけたので良かったと思います。
   あらあら、かしこ。

6月24日。時々、雨。
君へ。
彼が来なくて、君はアレルギーを患い、
お陰で僕はノイローゼ。
ケラケラ笑ってみても空っぽなだけだし
何を食べても血の味がします。
昨日ポケットにいれたチョコレートで
ホリックを装っても、結局
何もかも上手くいかない。
「チョコレートは万能薬だ」と云っていたあの人に
苦情を申し立てに行かねばなりませぬ。
「会いたい」を1000回以上は唱えました。
   あらあら、かしこ。

6月26日。曇のち雨のち晴。
今日も彼が居ません。
それ以上に、あの人に会いたい気持ちに
気づいてしまった君は、
激しく戸惑っていましたね。
彼のシャツと同じ色のパッケージの
シガレットを大量に買い込んだ後、
君は立ち尽くしていましたね。

嬉しい知らせがあります。
左腕から、錆びた匂いが消えました。
   あらあら、かしこ。

1 2 3 4 5

 

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

日記内を検索